人に勇気を与えられる男

村田選手

今回のブログは、サッカーに興味ない人にも読んでいただきたい内容です。

本日、サッカーJリーグ、清水エスパルスの村田和哉選手が、柏レイソルに完全移籍することが決まった。
私のブログでもカテゴリーを作るほど、私にとって特別な存在であり、私の白血病治療に大きな影響を与えてくれた人、それが村田和哉選手である。

いや、彼から大きな影響を受けた人は、私だけではなかったと思う。

白血病治療中、1回目の寛解導入療法時に病室から見ていたJリーグ。当時、エスパルスはJ1残留争いに巻き込まれていた。そんな厳しい状況の中、途中から出場してきてゴールやアシストを決める選手がいた。いわゆる、スーパーザブである。それが村田選手だった。そんな村田選手から私が感じとったのは「絶対に最後まで諦めない。俺が何とかしてやる」という気持ちだった。もちろん、エスパルスの選手全員がそういう気持ちを持っていたとは思う。ただ、村田選手から私が感じとっていたのは、サッカー選手としてだけではなく、人間として放つ気(?)、オーラ(?)のようなものだった。例えば、言い方は少々悪いが、当時、村田選手より知名度や人気のある選手は、他にもいたと思うが、それでも私が惹きつけられたのは、それら選手ではなく、村田和哉だった。

この人と話がしてみたい、会ってみたい、テレビでの彼の姿を見て瞬間的にそう思った、いや、思わされた。

そんな私は、すぐさま書いたこともなかったファンレターというものを書いた。もちろん、会いたいとか話がしたいという類のものではなく、純粋に、治療をしているものとして、あなたの諦めない姿に勇気づけられたという内容のものである。

それからは、彼が途中から出てくるたびに、ワクワクしている自分がいた。何かやってくれる…。その期待感が、凄まじかった。そのシーズン、エスパルスはJ1残留を果たした。その功労者は、まさしく村田和哉だった。彼の活躍がなかったら、間違いなくそのシーズン、エスパルスは降格していただろう。

J1残留に安堵していた私は、2回目の寛解導入療法の真っただ中にいた。なかなか血球が回復してこず、早く外に出たいと思って治療に励んでいた時、看護師さんから「あの~、清水エスパルスの選手が出口さん宛てで、お見えになっているんですが・・・」と、半信半疑の様子で声掛けに来てくれた。私自身、信じられない自分がいた。でも、来てくれる選手がいるとするなら彼しかいない。

すぐさま、病棟の入口へ、そこに立っていたのは、村田和哉選手、そして奥様まで…。まさか、本当にこんなことが有り得るなんて…。血球が回復していないため、妻が外に出ていき事情を伝え、妻の携帯から電話で会話することができた。

スポーツ選手というのは、たくさんのファンを抱えている。そのうちの一人の一ファンに対し、このような行動はなかなかできるものじゃない。でも、彼は来てくれた、励ましてくれた。行動力が凄いというもので片付けられるものではなく、なぜ彼がそのようなことを普通にできるかというと、彼が人とのつながりを大切にしているからこそなんだと思う。

そして、その後も彼とやりとりをさせてもらって分かったこと・・・それは、

彼は、人を想う気持ち、ファンを想う気持ち、エスパルスを想う気持ち、そして何より前向きな気持ち、それらが人一倍強く、人一倍大切にしているということ。それがプレーや人間性に表れていたのだ。だからこそ、観るものを魅了し、観るものに勇気を与えていたのだ。

人はだれでも、自分のためにされたことを実感すると、相手の気持ちを実感するものだと思う。村田和哉選手の場合、その一人一人を想う気持ちが、人一倍強い。だから、観る側の私たちも、村田選手の気持ちをより実感して、勇気やワクワクを実感できるんだと思う。

試合のない日に、清水市の商店街に顔を出して、商店街活性化のために活動していたり、ジュニアユースの子たちを周ったり、公演にいる子供たちに声をかけてボールを蹴ったり、あらゆるところに顔を出して声をかけ続けたりするなどのたくさんの課外活動をしていたのも、彼がそのような人間性だからできるのであって、そのような人間性だから、出逢った人たちに夢や良い影響を与えることができるんだと思う。

一サッカー選手としてだけでなく、一人間として、村田和哉に出会えて良かった。あなたから得たものは、最幸の宝物であり、あなたからいただいたコトバやメンタルのお話、ポジティブ思考は、白血病や敗血症ショックという大病と闘う私の心の支えとなった。

心からありがとう。

柏レイソルでの活躍を願っています。そして、これからも応援し続けます。

私も、完治までの残り1年7カ月を無事に乗り越えます。見ていてください。

 

「人生はいい方向にしか進まない」村田和哉



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