病気を打ち明けてから、多くの方々から励ましのメッセージなどが送られていると思います。
私も含め、白血病の闘病を経験してきた人間は、池江選手の現在の気持ちが本当に良くわかると思いますし、私たち闘病経験者が想いを発信し、それが少しでも池江選手に届くことで気持ちを高められればと、今はそのように強く思います。
今まで多くの国際大会を経験し、あらゆるプレッシャーと闘ってきた池江選手は、すでに私たちが想像する以上に、気持ちは強い人だと思っています。ですから、私がこのブログで常日頃から、前向きにとかポジティブにとか言っている気持ちの大切さの部分などは、改めて言う必要もないのかなと思います。
その部分以外で思うことを書きたいと思います。
私は、闘病を経験して、価値観というものが変わりました。健康への価値観、時間の価値観、人生の価値観、そして感謝の気持ちなどです。
健康への価値観・・・病気になってよかったとまでは言いませんが、治療中も、この経験は必ず自分にプラスになると思い、治療に励んできて、実際に治療を終えて、今までどれだけ体を酷使（体のことを考えてなかったか）していたか分かりましたし、治療後は体を労わることを欠かしていません。健康的な食事や、睡眠時間の確保などを徹底し、日々、働いてくれている自分の身体を労わるとともに、「今日も１日ありがとう」と自分の体に感謝するようになりました。
時間の価値観・・・闘病を通じて、いつ何が起こるか分からないということを実感しました。自分の人生には当たり前ですが限りがあります。病気になる前は、そこまで死なんて意識してませんでしたし、長い人生だ、ぐらいに思っていましたが、決してそんなことはないと、闘病後は思いました。後悔しないように生きると言っても、後悔自体を完全になくすことはきっとできないかもしれない。でも、後悔自体を少なくするようにはできると思っていて、だからこと、今を精一杯生きよう、やりたいことにはチャレンジしていこう、闘病後の私は、そのような意識のもと、今自分のやりたいことリストに書いたことを日々行っています。
人生の価値観・・・仕事は大切ですが、人生はそれだけではないです。限りある人生、仕事だけでなく、自分のやりたいことに多くの時間を使っていこうと強く思うようになりました。家族と過ごす時間や、趣味の時間、友人と過ごす時間など。目の前の仕事ばかりに追われた人生を送るのではなく、広い視野で人生を捉えようと。そして、そのためにまず必要なのは、健康でいること。健康の身体を維持すること。
感謝の気持ち・・・今の自分があるのは、産んでくれた親のおかげですし、治療を終えることができたのは、自分だけでなく、家族や友人、主治医の先生たちの支えがあったからです。そして、今健康な状態を維持できているのは、自分の体が頑張ってくれているから。常に、自分は支えられて生きています。闘病中も、闘病後も、その人たちや新たに出会う人たち、さらにモノに対し、感謝の気持ちを常に持つようになりました。「ありがとう」と。
病気になって、何で自分なんだと思いたくなる気持ちは、必ず出たりしますが、このように、経験したことで得るものは非常に多かったです。
まだ１８歳の池江選手。今回の闘病経験は、池江選手に今後の人生を送る上で様々な経験をもたらしてくれると思います。これまで周囲の期待を背負い走り続けてきたと思います。ここで少しペースを緩めて体も心も休めてあげてくださいね。まだまだ人生は長いです。
最後に、白血病の闘病は、治療期間が長期に及ぶので、どうしても気持ちを維持することが難しい時が必ず出てきます。
ですから、そのままの自分を出してあげるようにしてくださいね。辛さや苦しさ、またあの舞台に戻るために治さなきゃという焦り・・・など。ただ、どれか１つの感情が支配し続けると、うまくいくものもいかなるなるときがあります。辛かったら周りの人に辛いと言い、苦しかったらそれを打ち明ける。そんなの当たり前だろと思う人もいるかもしれませんが、長い治療を行うと、無理をするという自分が必ず出てきますので。自分との闘いでもありますが、周りの人に甘えてくださいね。そして、池江選手には、家族や周りの方々含め、日本中の多くの方が力を送っているので、きつくなった時は、周りや背景にいる人たちの存在を思い出してみてください。自然と力がわいてきます。私が敗血症ショックになった時がそうでした。
まとまりのない文章を書いてしまいましたが、焦らず一歩一歩進んでいきましょう。
このブログが、本人に届くことはないかもしれません。ただ、何かを発信しようと思い、書きました。
「BROTHER 生きていくだけだよ ためらうことなど何もないよ今更 走れなきゃ歩けばいいんだよ 道は違ってもひとりきりじゃないんだ baby,We’ll be alright We’ll be alright」
(B’z Brotherhood）
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